総量規制について知らくてもカードローンは利用することはできますが、理解を深めておくことで上手にお金を借りることに繋がります。
ここでは、ポイントになる年収や法律の観点から総量規制の仕組みをわかりやすく解説しています。
目次で内容をパッと理解する
総量規制とはどんなものか
カードローンを利用する時に把握しなければいけないのが「総量規制」です。
知らなくてもカードローンを利用することは出来ますが、起こる可能性のあるトラブルが潜んでいることを覚えておかなければいけません。
そもそも総量規制とは、対象となるカードローンなどを利用する場合、年収によって具体的な借り入れ制限を設けると言った趣旨のものです。
具体的には年収の1/3までを上限として設定され、この範囲を超えた借入れをすることは出来なくなっています。
実は貸し付け制限
しかし、これは少々表現的に誤った認識です。正確には「借りる側ではなく貸す側に対して影響する規制である」ということを覚えておきましょう。
つまり、借入れを制限するのではなく、貸し付けを制限するものということになります。
もしもこの規制を超えた貸し付けを行った場合、借りた側は何の不利益もありませんが貸した側には様々な不利益が生じる可能性があります。
場合によっては営業停止などの措置がとられる可能性もあるので、貸し付けに慎重になるのはそのためです。
総量規制の対象となるカードローンは?
総量規制の基本的な仕組みを理解できたところで、規制の対象となるカードローンとはどんなものかを見ていきましょう。
良く言われるカードローンとは、主に消費者金融系を指します。以前からそうでしたが、カードローンという表現を用いた場合には、消費者金融や信販系・ショッピング系などの銀行以外の方法でお金を借りる方法を意味していることが多いです。
しかし、最近では銀行系カードローンも多数登場してきているため、それぞれの明確な違いを知っておくことが大切です。
その違いとして大きなものが、規制の対象となるかどうかという点です。いずれも「カードローン」という名称を用いてはいますが、この規制に関する部分で言えば全く違ったものであるという解釈になります。
総量規制が影響するのは「貸金業法」で管理されているもののみで、「銀行法」で管理されているものには影響を及ぼしません。
簡単に言えば、銀行カードローンは規制対象外となり、それ以外は規制の対象となると覚えておくと良いでしょう。
規制対象外となる銀行系カードローン
ここまでの説明で言えば、銀行が出しているカードローンは規制対象外で、それ以外(消費者金融など)が出しているカードローンは規制対象となるという意味になるのですが、消費者金融系カードローンだと思われているものの中にも銀行系カードローンとして取り扱われているものがあるという点に注意が必要です。
例えば、カードローンの名称に「銀行」とはっきり表示されていればまだ分かりやすいのですが、過去は消費者金融系だったカードローンが銀行系に移行している場合があるということを覚えておきましょう。
以前は消費者金融として貸金業務を行っていたものであっても、現在の経営母体が銀行であれば銀行系カードローンとして規制の対象から外れることが出来ます。
ただし、ここで注意しなければいけないのは「銀行が運営しているのか、それとも銀行グループの一員であるだけなのか」という点です。
今現在、大手の消費者金融系カードローンは何らかの形で銀行と関与していますが、グループ加盟のみの場合は規制対象となります。
総量規制が与える審査への影響
規制対象カードローンを利用するのであれば、まずは審査の段階でその影響が出ます。例えば、50万円の審査を申し込んだ場合、審査で希望する50万円の上限金額が設定されるためには「年収150万円以上」が必要です。
しかし、150万円以下の人は審査で否決されてしまうのかというとそうではありません。
あくまでも審査によって異なりますが、仮に希望する50万円の審査をクリアする最低基準である150万円を満たしていなかったとしても、あくまでも「50万円を貸すことは出来ない」という判断がされるだけです。
収入に見合った金額は借りれる
審査の結果として融資が可能であると判断された場合には、収入に見合った金額を上限として契約することが出来ます。
初めてカードローンを利用する状況であれば、特別な理由がない限りは審査をクリア出来る可能性は高いと言えます。ただ、すでにカードローンを利用している人の場合は可能性が低くなってしまいます。
その理由の一つが、総量規制は借入れの総額に対して影響しているものであるという点です。つまり、規制による上限が100万円の人がすでに90万円の借入れをしている場合、次に受ける審査では多くとも10万円までしか融資枠が決定されない状態になります。