インターネットが普及した現在では、お金を借りるにはWEB申し込みができるようになったため、わざわざ店舗に出向く必要がなくなりより手軽に利用できるようになりました。
特にカードローンは銀行のローンよりも審査が通りやすく、いつでも申し込みが可能というところが多いため利用者も増加傾向にあります。
こうした手軽なキャッシングが普及したこともあり、つい利用しすぎてしまい気が付けば多重債務で苦しくなってしまったという人も少なくありません。
このページでは、多重債務や債務整理をしなければいけない状況に陥ってしまう原因について考えます。
多重債務と呼べる目安とは
実は、何社からお金を借りると多重債務と呼ぶのかという規定はありません。お金を借りた金融会社の数ではなく、複数業者からの借り入れによってどのくらい借金返済で困窮しているのかということが基準となっているのです。
したがって、3社からの借り入れですでに借金返済が苦しい状況にあれば、それは多重な債務と判断できます。ただし、一般的な目安としては、5社以上の消費者金融業者から借り入れを行っていた場合です。
借り入れが5社を超えてくると、その借金返済は非常に大変であるため困窮する可能性が高くなります。もちろん、3社であっても借金返済に苦しんでいれば、それは多重な債務と言えます。
驚くべき多重債務の現状
加盟する企業の信用情報を管理・提供して健全な信用取引をサポートしている機関があり、この機関を(株)日本信用情報機構と言います。この日本信用情報機構が2013年に行った、消費者金融利用者に関する統計資料があります。
これによると、非常に多くの消費者金融利用者がいることが分かり、さらに数社から借り入れを行っている人も非常の多いことが分かります。
- 消費者金融貸付額:約8兆2000億円
- 消費者金融利用者:約1,279万人
- 5社以上の利用者:約27万人
- 5社以上の平均借入額:約197万円
- 利用者のうち3ヶ月以上の遅延者:約419万人
消費者金融5社以上から借りている利用者が27万人もいるということも驚きですが、利用者全体のうち3ヶ月以上借金返済が滞っている利用者が約419万人もいるということが非常に驚きです。
実に利用者の3人に1人は借金返済に苦しんでいることになります。このことからも、複数の消費者金融業者から安易に借り入れをすることは、非常に危険であることが分かります。
近年ではスマホ普及したこともあり、このスマホでの借り入れ手続きが行えるサービスも登場しています。いつでもお金を借りることができて便利ですが、それ以上に注意が必要です。
多重債務や債務整理になるキッカケとは
多重債務になった場合、それを解決するには債務整理という方法があります。この状況になるには、何かしらのキッカケがあると考えられます。
このような状況に陥るキッカケは、人それぞれ違いはありますがその中でも最も多い原因が「収入の減少」と言われています。これは、金融庁が無料相談会で行った調査による結果であり、収入減少がキッカケという人が全体の約3割を占めていました。
お金を借りる時には、「仕事もしているからボーナス払いにすれば大丈夫」などと安易に考えて利用しがちですが、病気や怪我などによって仕事が出来なくなり収入がなくなることもあります。
また、1社からの借入額が少額であったとしても、それが積み重なれば大きくなります。会社に勤めていても業績によっては収入が激減する場合もあり、こうしたことから借金返済が困難になって多重な債務に陥っていくのです。
自分自身で借金返済が出来なくなった場合には、国民生活センターや法律の専門家に相談することになります。
多重債務の解決方法としては、大きく4つに分けることができます。その4つの方法の中から、専門家と共に自分に合った方法で解決していくことになります。
多重債務における4つの解決方法
4つの債務整理の方法は以下の通りです。
この中から自分に合った解決方法を選ぶことになります。
任意整理
債権者との話し合いで借金返済額や借金の額を見直す方法です。
司法書士などに交渉をしてもらいます。
任意整理の特徴は、
- 利息制限法に基づいて利息を再計算し直すため、残高の減額が可能となります。
- 長期分割による借金返済交渉も可能なので、毎月の返済額を減らすことも可能となります。
特定調停
簡易裁判所において、債務者が債権者と借金の減額や今後の返済条件の内容を交渉する解決方法です。
特定調停の特徴は、
- 利息制限法に基づく利息の見直しが可能となり借金残高の減額が見込めます。
- 過払い金が判明した場合調停の手続き内では返還交渉がされません。
個人再生
裁判所に借金の一部を原則3年で返済することを条件に、残りの借金返済を免除してもらう方法です。
個人再生の特徴は、
- 住宅ローンを除く借金が5000万円以下で、将来的に一定の収入が見込めることが条件です。
- 住宅を手放すことなく整理が可能です。
自己破産
裁判所へ破産申し立てを行い、借金を免除してもらう方法です。
自己破産の特徴は、
- 高額な資産がある場合、換金して借金返済に充てることが可能です。
- ギャンブルによる借金の場合には、免除が受けられない可能性もあります。