「お金を借りて返さない」という行動は、自分の信用は大きくおとしめる行為です。もしも自分が誰かにお金を貸したり買い物を代行したりした場合、そのお金を返済してもらえなかったとすれば、「この人には、もうお金を貸すことは止めよう」と思うはずです。
これは、クレジットカード会社も同じで、最悪の場合はカードの更新停止(実質的な解約)となってしまうこともあります。
そうならないためにも支払いのスケジュールを適切に管理することが大切ですが、もしも起こってしまった時には、適切な対処法をとることが必要です。
目次で内容をパッと理解する
残高不足でき落とされないときにやること
引き落としのタイミングで口座残高が不足していた場合、その状態が継続すると「遅延」「延滞」などのネガティブな履歴が残るリスクがあります。
早々に支払いを済ませることが最善ですが、仮にすぐ支払いができない時でも連絡を怠らず信用を守る意識が大切です。
できる限り早く支払いをすること
引き落とし日当時に「遅延」が登録されることはないにしろ、数日遅れた場合は信用情報機関に遅延をしている事実が登録されます。この情報は、状況が解消された後もしばらく保存され続けることになるため、新しくクレジットカードを作る際やローンを組む時の足かせになる可能性があります。
また、利用中のクレジットカードの与信枠が減ってしまったり、契約を解消される可能性もあります。遅れるにしても1~2日程度にし、できるだけ速やかに支払いを行うようにしましょう。
カード会社によって違う支払い方法に要注意
引き落としができなかった場合の対処法ですが、これは利用しているクレジットカード会社によって異なります。
「〇月〇日に再度、引き落としを行うので、それまでに口座に入金しておいてください」と言われることもあれば、銀行振り込みやコンビニ払いなどで対応することもあります。支払い方法によって安全に遅延を解消できる期間が違うので、十分に注意しましょう。
手元にお金がない場合でも必ず連絡
残高不足の原因が「うっかり」なら良いのですが、「お金がない」という時には困ってしまいます。そんな時、「お金ができるまで黙ってやり過ごそう」と思ってしまうこともあるでしょうが、仮にすぐに支払いができない状態だったとしても、できる限り早急に電話をすることが大切です。
支払いが遅れていることを責められるようなことはなく、現実的な支払いについて相談に乗ってもらえるので安心しましょう。
残高不足で引き落としされないと信用を失う?
冒頭でも書いている通り、「貸したお金を返してくれない人」というレッテルを貼られてしまった場合は、信用が著しく損なわれます。
ただし、たった1回の支払い遅延ですぐにそうなるというわけではなく、頻繁に支払いを遅れる悪質な利用者、もしくは返済能力に乏しい利用者という評価が決定するまでは大丈夫です。
未決済だとブラックリスト入りするの?
クレジットカードの支払いに関しては、そのすべてが信用情報機関に登録、管理されます。支払いが遅延した事実はもちろん、延滞をすればその事実も登録されます。
迷惑をかけたクレジットカード会社だけで信用を喪失するならまだしも、その情報は信用情報機関を介して加盟している機関に共有されることになるため、「どこからもお金を借りられない」という状態になってしまいます。
「ブラックリスト」という定義は曖昧ですが、このような状態になることだとすれば可能性は小さくありません。
慢性的に残高不足を発生させると危険
人間だれしも失敗をします。支払い日を忘れてしまうことももちろん、不注意で支払うお金がない状態、つまり残高不足になってしまうこともあるでしょう。
クレジットカード会社もその辺は理解しているので、1回の失敗で極端な対応をとることはありません。ただし、それは、ごく短期の遅延での話です。
数日程度、もしくは代替する支払い方法の期日までに支払いを行えば大丈夫と考えても問題ありません。しかし、年に何回も遅延や延滞を行う場合、仮にその期間がごく短期であったとしても「要注意人物」として認識されてしまいます。
気になる遅延損害金の計算方法
遅延損害金は、利息や手数料などとはまったく別の存在として扱われます。基本的には「日割り」で計算されるため、次のような計算で求めることができます。
(例) 10万円の支払いを10日間、遅延損害金14%で遅れた場合
支払う金額×遅延損害金年率×(遅延日数÷365日)
10万円×14%×(10日÷365日)≒383円
残高不足を防ぐ方法はこれだ!
適切にスケジュールを管理してさえいれば何も問題はありませんが、万が一のリスクを減らすためには、様々な手段を用いて支払いを管理していくことが効果的です。
特に最近では、メールやアプリで支払い日を通知してくれるサービスなどが充実してきているので、上手に活用すると良いでしょう。
クレジットカードの引き落とし金額をしっかり確認
日常的な支払いをクレジットカードで行っている場合、対象となる件数が多すぎて管理しきれないという状況も少なくありません。
十分な収入があって支払いに困ることがない人ならまだしも、「もしかすると足りないかも知れない」という不安があれば、日頃から支払い金額をしっかりと管理することが大切です。
家計簿を買って記帳するのも良いですが、パソコンやスマートフォンで管理する方法は、自動で計算、管理や分析ができるのでおすすめです。
引き落とし日のお知らせメールサービスを利用
クレジットカード会社によっては、メールで引き落とし日を教えてくれるサービスを行っています。
支払い日の数日前に連絡が入るので、余裕をもって口座残高を管理できます。ほとんどのクレジットカード会社は対応していると思っても良いですが、未対応のクレジットカード会社もあるので注意しましょう。
もしも不安がある場合は、あらかじめサービスを行っているかどうかを確認してから申し込みをすると良いでしょう。仮に未対応のクレジットカード会社を利用している場合は、スマートフォンのスケジュール機能を使って管理する方法もおすすめです。
カード会社のWEB会員サイトに登録
スマートフォンの場合はアプリが利用できますが、携帯電話の場合はそういった機能はありません。もしくは携帯電話を持っていない場合などは、「WEBサイト会員」になる方法もおすすめです。サイトで請求金額の確認ができる他、支払い日の管理なども行えるので非常に便利です。
WEBサイト会員になることでポイントバックやマイル増量などの特典が付く場合もあるので、特別な事情がない限りは積極的に登録すると良いでしょう。
返済用の口座を1つにまとめる
人にもよりますが、クレジットカードの所持枚数はまちまちです。1枚しか持っていない人は管理も楽ですが、10枚持っている人は10枚分を管理する必要があります。
といっても、実際に使用しているカードの枚数分だけを管理すれば良いのですが、その際は、引き落とし口座を1つに指定することがおすすめです。
日常的に使用している銀行口座とは別でも問題ありませんが、クレジットカードやカードローンの支払い用として1つ専用口座を開設しておくと便利です。あとはすべてのクレジットカードの引き落とし口座をそこに指定すると、口座ごとの残高管理や入金忘れを防止できます。
まとめ
クレジットカードを使うということは、お金を借りることと同義であるという意識をしっかりと持つようにしましょう。
現金がなくとも買い物ができる非常に便利なサービスですが、適切に使用しないと自分の首を絞める結果を招きかねません。安心してクレジットカードを使うためのポイントは以下の5つです。
- 支払いに遅れそうな時には、お金がなくともすぐに連絡相談する
- 延滞(数日程度の遅延を超える状況)は絶対に避ける
- 日頃から使用内容、使用金額などを把握して管理する
- 支払い日を忘れないようにメール通知や会員サービスを活用する
- 口座の管理を楽にするために支払い専用口座を開設しておくと便利