正規の貸金業者によるカードローンには必ず審査があるので、外国人も日本人と同様に所定の審査に通過して初めて利用可能となります。
しかし、3ヶ月以上の中長期滞在者のような外国人であってもカードローンを利用できるのか、詳しく知っている人が周囲にいないと躊躇してしまいがちです。
永住権なしはダメ?!外国人でもカードローン審査に通るのか?
外国人が日本国内に滞在するためには、3ヶ月未満の短期滞在者、3ヶ月以上の中長期滞在者、永住権を取得した永住者の3種類があります。
貸金業者にとって重要なことは、お金を貸してもしっかりと返済見込みがあることであり、突然帰国して連絡が取れずに回収不能となる点を心配しています。
だからこそ、短期滞在者はカードローンを利用できず、中長期在留者と永住者はカードローン申し込みができるのですが、永住権取得者は特に有利になるわけです。
配偶者が日本国籍で安定した収入があると認められると借りれる場合があります。

でもカードローンでお金を借りている外国人もたくさんいるわ。
実際は、永住権なしの外国人でも条件が整っていればOKなの。
永住権の種類で借りれるカードローンが違う
カードローンを利用可能な在留資格には、3ヶ月以上の中長期滞在者と永住権取得者の2種類です。
なかでも永住権取得者が利用可能なカードローンには、銀行カードローンが含まれるので、利用者の収入と返済能力次第では、比較的審査が厳しいとされる低金利貸付を行なう銀行カードローンの審査も突破できる可能性があります。
中長期滞在者が申し込みできる消費者金融系カードローンは、利息制限法の上限金利に近い高めの金利設定が行われているので、審査が柔軟な代わりに金利については大目に見る必要があります。
永住権取得者が主に利用する銀行カードローンでは、日本人と変わりない厳しい審査が行われるので、実際の借入先として定住を前提とした人が申し込みことになります。
永住権がない外国人がカードローン審査を通すには?
永住権の取得有無は、申し込めるカードローンに銀行が含まれるかどうかという点に違いが生まれます。
しかし、永住権を取得していなくても、消費者金融業者のカードローンならば、準備をしっかり行っておけば、カードローン審査を通すことが可能です。
カードローン審査を通すためには、消費者金融側の立場で審査状況を考えてみると良いでしょう。

国内で生活している外国籍の方も増えてきました。
でも銀行カードローンは審査基準のハードルが高いので永住権なしだと厳しいです。
毎月ちゃんと収入があるかどうか
永住権なしで申し込みができる消費者金融のカードローンは、貸金業法に基づく貸付が行われるので、総量規制の対象となります。
前年度の年収に対して1/3以内の貸付が可能であって、年収の1/3以上の借入は法規制によりできません。
しかし毎月お給料があって収入状況が安定していることが証明できれば、消費者金融の審査であれば借入が可能です。
希望借り入れ額によっては収入証明書類の提出が求められることがあります。
在籍確認はできるか?
大手消費者金融のカードローン審査は、外国人であっても日本人同様の審査を行なうので、在籍確認電話に対応できる必要があります。
勤務先に対して貸金業者の審査担当者が個人名で電話連絡をした際に、在籍確認が取れなければ審査に通りません。
勤務先の会社が在籍確認できる状態にある必要があるので、会社全体が外国人で占められていて、電話対応に日本語が使えないと審査に通過できないでしょう。

日本人なら在籍確認もスムーズなことが多いけど、外国人の場合は、職場のひとが名前を正確に覚えていないこともあるわ。

審査過程で在籍確認は必須なので、事前に職場の人やカードローン会社に相談しておくといいですね。
消費者金融の中には、書面による在籍確認を行なってもらえる会社があるので、会社側の電話対応に不安がある際には、書面による在籍確認ができる消費者金融を選択する必要があります。
日本に滞在している期間が長いほど有利
貸金業者が審査の際に気にすることとして、突然帰国して貸付金が回収不能とならないかが重要です。
日本に住み始めてからしっかりと仕事をしているかどうか、安定した収入があるかといった項目だけではなく、次の疑問を持つことが考えられます。
- どれくらい住んでいるか
- あと何年くらい日本にいるのか
- 6ヶ月以上仕事していれるか
これらの質問が本人確認の際に消費者金融から行われた際には、半年以上日本に住んでいて、いつまで日本に少なくとも滞在して仕事を続ける予定があるのか具体的に回答できれば良いでしょう。
永住権が無くても貸付を行なう以上、海外に支店を持たない消費者金融にとって、急な帰国によって突然債権回収が不能となる可能性が低ければ、融資対象となるからです。

永住権なしの外国人の場合は、返済途中で帰国してしまうケースも多いの。
あとは本人の意志に反して帰国させられることもあるから、永住権がある場合に比べて審査ハードルが高くなるの。
日本語は契約書が確認できれば大丈夫!
日本国内で契約を交わす際には、日本語で契約内容を理解できることが重要です。錯誤無効の主張がされてしまうと、滞納が発生した時に債権回収が難しくなり、余計な専門家費用が掛かってしまうことを警戒しています。
日本語で書かれた契約書を理解できる程度の日本語習得力があれば、将来的に永住権取得を目指すことも考えられるでしょう。

今現在、外国語に対応している日本の金融業者は、ほとんどないわ。

語学力は日本語で書かれている契約書が理解できる程度でいいんですね。
外国人がカードローン審査で必要な書類
外国人がカードローン審査を受ける際に提出する必要書類は、貸金業者により異なりますが、共通する書類を調べておけば慌てることはないでしょう。
基本的には本人確認書類と在留資格を確認できる証明書の組み合わせが基本となり、借入希望金額次第では収入証明書の提出が必要となります。
パスポートのコピー
貸金業者への申し込みでは、本人確認書類の提出が必要となります。
パスポートのコピーが基本となりますが、日本国内で発行されている運転免許証や健康保険証でも身分証明書として代用できることがあるので、申し込みを希望する貸金業者に事前確認をしておくと良いでしょう。
在留カード(特別永住者は特別永住者証明書)
在留カードが発行される条件は、3ヶ月以上日本国内に滞在することが予定されている中長期滞在者と永住権取得者に対して在留カードが発行されます。
90日以内の短期滞在者に対しては在留カードが発行されないので、少なくとも在留カードが無い限り、貸金業者への申し込み対象となりません。
在留カードには在留期間(PERIOD OF STAY)が記載されているので、残りの在留期間が最低でも1年以上あることを確認しましょう。
[参考]法務省入国管理局:在留カード
50万円を超えると収入証明書が必要になる
外国人がカードローン審査を受ける際に、収入証明書が必要となるラインは、50万円を超える場合です。消費者金融会社は貸金業法に基づき、1社あたりの借入額が50万円を超えた際に収入証明書の提出を求めています。
外国人が借りやすいカードローンは消費者金融ですから、50万円を超える利用限度額を希望する際には、最初から収入証明書を用意しておく必要があるわけです。
カードローン以外のローンはどうなの?
外国人が日本国内でお金を借りるための方法は、カードローンだけとは限らず、クレジットカードや住宅ローンであっても、審査基準に達していれば行えます。
確かにアコムのACマスターカードのように最初から外国人による申し込みを利用規約で制限している例はありますが、多くの信販会社ではクレジットカード発行に際して各社の審査基準に到達していれば利用が可能です。
外国人はクレジットカードを組める?
日本国内で発行されているクレジットカードには、居住年数だけでなく在留資格や住所が定められていることが必要です。
友人宅を渡り歩く生活をしている外国人には、いつまでもクレジットカードが発行されることはありません。
在留カードが発行されていて、安定した収入があれば、日本人同様の審査が行われて、クレジットカードが発行されます。
外国人は住宅ローンを組める?
外国人が住宅ローンを組むために必要な資格として、多くの金融機関が永住権取得者に限定しています。
住宅ローンの返済期間は長く、少なくとも永住権取得者でなければ帰国してしまうリスクが避けられないからです。
カードローンよりも遥かに低金利な住宅ローン審査は、条件が厳しく設定されているので、たやすく審査に通ることはありません。

永住権を持っていない外国人は保証会社をつけることができないので、日本国籍を持つ人に保証人になってもらう必要があります。
永住権が無い場合にどうしても住宅ローンを組みたい場合には、出身国の銀行で保有している銀行口座の日本支店へ相談してみると良いでしょう。
あくまでも日本に支店があることが条件ですが、外国銀行の住宅ローンならば対象となることがあります。
外国人がカードローン審査を通すために絶対必要なこと
日本に滞在していて、在留カードを持っている外国人ならば、カードローンの申し込み条件をクリアしています。
永住権なしの状態であれば消費者金融限定となりますが、永住権取得者ならば銀行系カードローンも選択肢に入るでしょう。
共通してカードローン審査を通すために必要な条件を確認してから手続きする必要があります。
少なくてもいいから安定した収入がある
貸金業者が重視することとして、収入の多少に関わらず安定した収入があることを前提として審査を行います。
収入が少なくとも、安定した収入があると証明できれば、利用限度額を下げた上でカードローン審査に通すことが可能です。
いくら高収入者であっても、収入が不安定ならば返済能力を見定めることが貸金業者にできないので、カードローン審査に通ることは難しくなります。
決まった住所がある
在留カードを取得していれば、住所が移動した際には必ず届け出が義務付けられています。
しかし、在留カードの住所変更を適正に行なっていなかったり、友人宅を転々とする生活を続けていたりする状況では、延滞事故発生時に郵送物送付ができないのでカードローン審査対象から外れてしまいます。
少なくとも決まった住所があり、適正に更新されていることが重要です。
定住者で5年以上続けて日本に住んでいる場合、在留資格の永住許可を受けられる可能性があります。永住許可を取得したほうが、カードローン審査は有利になります。
クレジットカードなどの支払いに遅れがない
海外で発行されたクレジットカードについては、個人信用情報機関が保有する信用情報とは無関係となり調べようがありません。
日本国内で発行されているクレジットカードの支払いに遅れがあると、3ヶ月以上の延滞で事故情報が日本国内の個人信用情報機関へ登録されます。
日本人と同様に延滞事故を発生させている情報が個人信用情報機関へ登録されていると、カードローン審査に通ることはありません。
日本国内で発行されたクレジットカードの支払いに遅れがないことをカードローン申し込み前に確認しておく必要があります。
返済計画をしっかり説明できると最強
カードローン申し込み時に外国人が申込むと、利用規約を理解できているかどうか、名前の読み方や通称と本名のどちらなのかといった確認を行われます。
永住権を持っていない場合であっても、滞在期間の予定に合わせた返済計画を日本語でしっかり説明できれば、貸金業者にとっても安心して貸付を行えるでしょう。
返済計画をしっかり示せれば、カードローン審査にとって最強です。

外国人がローンを利用するには、返済計画が一番大切だわ。
まとめ
外国人であっても、日本語で書かれた利用規約が理解できる程度の日本語力があれば、在留カードを発行されている限り申し込み可能なカードローンは存在します。
全ての貸金業者が外国人に対して積極的な貸付を行っているわけではなく、銀行カードローンでは最初から永住権取得者に限定して低金利融資を行なっています。
永住権を持たない場合には、柔軟な審査に定評がある消費者金融へ、在留カードとパスポートを持って申し込み手続きを行えば、滞在期間と安定した収入次第で利用限度額は変わってきますが、カードローン審査に通過できる可能性があります。
突然帰国して貸付金が回収不能とならなければ、外国人であっても融資を行っているので、消費者金融のカードローンへ申し込んでみると良いでしょう。