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「子どもの進学資金を借りたい」と言った状況で利用される「教育ローン」「奨学金」と言ったサービスは、何となくは知っていても詳しい内容を知らないこともあるでしょう。

それぞれの特徴を良く理解していれば上手に利用できますが、良く分からずに利用してしまうと大きな負担を負うことになってしまう可能性があるので、しっかりと内容を理解することが必要です。

「教育ローン」と「奨学金」は何が違う?

学生が勉強するための資金を確保するための方法として知られる教育ローンや奨学金は、存在自体は広く認知されていますが、詳しく理解している人はそれほど多くないようです。そこで、まずはそれぞれのサービスがどういうものなのかを見ていきましょう。

教育ローンとは

教育ローンとは、簡単に言い表すならば金融機関が学費を融資する金融商品です。基本的には学費のみを対象としていますが、その他の経費(教科書代、パソコン代、引っ越し費用、受験料など)も対象としていることも多いです。

義務教育課程における費用を融資するものではなく、高校以上の課程もしくは義務教育課程における私立学校の費用を支払うためにのみ利用できます。融資元は銀行などの金融機関で、融資先は保護者となる形が一般的です。

奨学金とは

奨学金とは、特定の条件下に置いて学生に対して直接融資、もしくは給付を行うサービスを指します。教育ローンが金融機関と保護者の契約において成り立っているサービスであるのと違い、奨学金では、公的団体や慈善団体と学生本人が契約する形で成り立っています。

本質的には、学業の成績が優秀な対象の修学を目的としているため、「給付型」を意味しています。しかし、実質的には給付型以外にも低金利で貸し付けるものも奨学金に含まれます。

教育ローンの特徴を理解しよう!

教育ローンは、金融機関が取り扱っているもののほかに、国や自治体が取り扱っているものがあります。主には次のようなものです。

  1. 日本政策金融公庫
  2. 各都道府県、政令指定都市や中核市
  3. 社会福祉協議会
  4. 生活協同組合
  5. NPO団体

国の教育ローンとは

国が行っている教育ローンは、日本政策金融公庫が扱っているものを指します。見方によっては自治体が行っているものも含まれるように見えますが、「国の教育ローン」と言えるものは唯一です。

・教育一般貸付
最高350万円(留学資金の場合は最高450万円)まで、年1.81%の固定金利、返済期間最長15年、日本学生支援機構の奨学金との併用可

インターネットで申し込みが可能で、20日程度で入金されます。融資対象(契約者)となるのは「学生の保護者」で、年収によって制限もしくは優遇措置があります。

[参照]日本政策金融公庫 教育一般貸付:https://www.jfc.go.jp/

民間の教育ローンとは

金融機関、NPO団体や慈善団体などが行っているものを指します。要は、「教育一般貸付」以外の教育ローンが該当します。

国の教育ローンは、あくまでも福祉事業の一環として捉えることができますが、民間の教育ローンはあくまでもビジネスです。なので、年収、勤続年数など一定の条件を満たしていること、保証会社の保証を受けられること、対象の地域に居住もしくは勤務していることなどの条件があります。

単に年収が少なく学費確保に困窮しているからと言って利用できるとは限りません。極端な言い方をすれば、住宅ローンやマイカーローンなどの融資を受けることと同じだと言えます。

一定の信用、返済能力がある場合にのみ利用することが可能で、国の教育ローンよりも金利は高く設定されています。比較的低金利のものになると、申し込み条件となる年収が500~700万円以上などに制限されることもあります。

教育ローンは学生本人も申込みできる?

国の教育ローンの場合、契約者はあくまでも「生計主」というスタンスではありますが、すでに成人して安定した収入があり、独立して生計を営んでいる場合は、学生本人が契約することも可能です。

[参考]日本政策金融公庫「よくある質問」:https://www.jfc.go.jp/

教育ローン手続きの流れ

教育ローンのうち、国の教育ローンを利用する場合の手続きについて紹介します。民間の教育ローンを利用する場合は、それぞれが指定する手順で手続きを進めていくことになるので、しっかりと確認しましょう。

申込みから契約まで

ステップ1.インターネットもしくは郵送で申し込み

公式サイトから申込みをするか、教育コールセンターまたは各支店へ電話で「借入申込書」を請求し、必要事項を申告する方法があります。

[参考]日本政策金融公庫:https://www.jfc.go.jp/

ステップ2.日本政策金融公庫各支店へ、申し込みに必要な書類を持参もしくは郵送で提出

ステップ3.審査

書類を確認後、審査が開始され、10日前後で審査結果が発送されます。

ステップ4.契約に必要な書類を準備、来店もしくは郵送で日本政策金融公庫へ提出

以下の必要書類を提出します。

  1. ご融資のお知らせ(兼借用証書)
  2. 印鑑証明書
  3. 合格を確認できる書類(入学資金として利用する場合のみ)
  4. 預金口座振替利用届
  5. 送金先預金通帳

ステップ5.融資

審査結果の連絡から10日前後で指定口座に入金

[参考]日本政策金融公庫「お手続きの流れ」:https://www.jfc.go.jp/

審査基準

審査基準については一律ではなく、申し込み者の状況を考慮して判断されます。そのため、ここでは「申し込み基準」について紹介します。

1.年収

子どもの人数によって世帯年収の上限が変動します。

子供の人数 世帯年収(事業所得者)
1人 790万円(590万円)
2人 890万円(690万円)
3人 990万円(770万円)
4人 1090万円(870万円)
5人 1190万円(970万円)

※上限緩和措置あり

2.対象となる学校

修業年限が原則6か月以上、中学校卒業以上を対象とする教育施設となります。

大学、大学院、短期大学、専修学校、専門学校、予備校、デザイン学校、高等学校、高等専門学校、特別支援学校高等部、職業能力開発校などの教育施設または外国のこれらに該当する学校(原則6か月以上の留学に限る)

3.使い道

学校納付金(入学金、授業料、施設設備費など)、受験費用(受験料、受験の交通費、宿泊費など)、在学のための住居費用(アパートやマンションなどの敷金、礼金、家賃など)、教科書代、教材費、パソコン購入費、通学費用、修学旅行費用、学生の国民年金保険料などの今後1年間に必要となる費用。

融資までの期間

状況によって変動しますが、申し込み~審査結果通知までに10日程度、契約書類の提出から融資完了までに10日前後の計20日前後かかります。

奨学金と教育ローンを上手く組合せるポイント

いずれも「教育を受けるための資金を確保するための制度」に違いはありませんが、教育ローンは「返済が必要」であるのに対し、奨学金は「返済が不要」となるものもあります。条件は厳しめですが、金利や返済期間の違いなども踏まえて考えると、双方を上手に組み合わせることが負担軽減のポイントです。

奨学金は子どもの借金

そもそも、「教育ローンと奨学金を同時に利用できるのか?」という疑問を持つ人もいるでしょうが、基本的にこれらを併用することは可能です。

教育ローンは「親の借金」であり、奨学金は「子供の借金」という性質を持っていて、それぞれが独立しています。教育ローンの審査で奨学金の利用を問われることはなく、逆に奨学金の審査で教育ローンの利用が問われるわけでもありません。

また、親だけですべての資金を賄うだけの借り入れをするためには返済能力が必要になりますが、奨学金を併用することで必要な金額を確保しやすくなります。

あすかあすか

近年、奨学金を返せない人が増えています。以下の記事で奨学金制度のリスクや対処法を解説しています。

奨学金が払えない!返せないときの5つの対処法と救済制度

奨学金と教育ローンの返済のイメージ

教育ローンと奨学金の大きな違いとして、どのタイミングで利息が発生し始めるのかがあります。

教育ローンの場合、借り入れ翌日には利息が発生し始めるのに対し、奨学金の場合は在学中の利息が発生しません。また、金利も1%以下(教育ローンは2%程度)と非常に低く設定されているので、返済の負担は大きく変わります。

まとめ

教育ローンと奨学金は、いずれも「教育を受けるための資金を借りる方法」という認識して同じようなものだと思われてしまいやすいのですが、実は比較的大きな違いがあります。

契約者の違い、利用基準の違い、返済方法の違いなどを良く理解しているのといないのとでは、明らかに大きな違いが出てしまいます。

金利の高い教育ローンをできるだけ少ない借り入れに抑え、金利の低い奨学金の借り入れを多くするなどの工夫をすると、返済の負担を軽減することができます。