多額の借金を抱えて返済不能になり、生活再建を目的として任意整理などの手段を弁護士などを通じて講じた場合、その時点で抱えている債務の減額や返済プランの再構築などが行われます。
この任意整理により、債務の負担が大幅に減少し自転車操業のような状態から脱し、完済への道筋が見えてきます。
しかし仮に任意整理中に新たな借り入れが必要になったとすると、どのような結果が待っているのでしょうか。
本来、債務整理や自己破産を行おうとしている人が新たに債務を負うことは禁じ手と言えます。ただ、どうしようもない事情でお金が必要になったとすれば、審査申し込みをしてしまうかもしれません。
任意整理中だと新規の借入はできない?!
債務整理には任意整理、特定調停、個人再生、自己破産の4種類がありますが、今回は任意整理中にお金を借りる可能性について見ていきます。
状況的に良いか悪いかは別として、そもそも可能性がないのであれば話は終わりです。しかし、借入の可能性があるとすれば十分な知識を身に付けることが必要です。
債務整理は借金問題の根本的な解決方法として有効です。
しかし、債務整理に入ると個人信用情報に登録されるので新たな借入は基本的にできなくなります。
ブラックリストとは?
たとえば、自己破産をした場合は官報にその事実が掲載されます。厳密な意味でつかわれる「ブラックリスト」とは、このように官報に掲載された状態を指します。自己破産などの債務整理は、融資を断られてしまう大きな要因です。
ただし、官報に掲載されてしまったわけではなく、債権者であるカードローン業者独自の要注意顧客として認定されてしまった場合も「ブラックリストに載った」と表現されることが多いです。

ブラックリストについては以下の記事で詳しく解説しているので参考にしてください。
ブラックリストが消えるまでの期間は?いつ消えるかわからないブラックリストの疑問を徹底解説!!
ブラックリストに載るとどうなるのか?
ブラックリストに載った状態になると、本来ならば問題なく融資可能だと判断される状況だったとしても、それを理由に契約を拒否されてしまいます。つまり、金融機関や貸金業者のカードローン契約のすべてができない状態になります。

債務整理は借金問題を解決するのに有用な手段だけど、債務整理をすることで借入れはできなくなるなどさまざまなデメリットがあるわ。

債務整理をしてブラックリスト入りすると新規で融資を受けるのは難しくなるんですね。
任意整理中に、どうしても即日融資が必要な場合ってある?!
任意整理中は、決定まで債務の返済義務はなくなります。つまり、具体的な内容が確定するまでは返済をする必要がなくなるわけです。
この状態ならば、返済が必要な状態と比べて生活は楽になるはずですが、たとえば、無職になったような状態なら基本的な生活費にすら困窮してしまう可能性があります。
支払ができないと任意整理が破綻してしまう
任意整理後は、決定時の内容に基づいて返済をしていくことになります。本来の債務と比べると負担は減少しているはずですが、それでも一定の負担は継続していきます。
もし仮に、債務整理後の返済が2か月以上滞ってしまった場合は、残債に加えて遅延損害金の一括返済を請求される可能性があります。つまり、任意整理のときの約束を守れないなら、一括返済が待っているということになります。

任意整理後に延滞して一括返済を求められることを期限の利益の喪失というの。
一時的な金欠で確実に返済できる
任意整理中にお金を借りる必要がある状況として、突発的な出費への対応で、すぐに正常な状態に戻ることが確定していることがあるかもしれません。
あくまでも一時的な金欠状態であれば、「借りて何とかしたい」と思うこともあるでしょう。

ほんとに必要なお金かどうか考えてくださいね。ギャンブルにハマったことがある人は金銭感覚が麻痺している可能性があるので要注意です。

融資を受ける前に生活費の見直しは必須よ。
生活費が足りない!給料日までの金欠状態を解消する効果的な9つの対処法
実際に任意整理中でも融資が可能な業者は?!
多重債務などの任意整理中に借り入れができる貸金業者、金融機関はあるのでしょうか。具体的にみていきましょう。
大手消費者金融は任意整理中の融資は無理!?
任意整理中は、客観的に見て「すでに返済能力が限界に達している状態である」と判断できます。
お金を貸す側にとっては、十分な返済能力が認められるからこそ融資を行うので、個人ならばいざ知らず、義理人情でお金を貸してくれる業者はほとんどありません。
特に、銀行カードローンや大手の消費者金融などは機械的な判断で融資を決定されるため、任意整理中の状態で契約できる見込みは「ほぼない」と考えて良いでしょう。
中小消費者金融なら任意整理中でも可能性あり?!
大手消費者金融が機械的な基準で融資を判断するのに対し、中小消費者金融の場合は「独自の基準」で融資を判断することが少なくありません。
年収がいくら以下だからダメ、異動情報があるからダメ、債務総額が多いからダメという一様の判断ではないので、債務整理中でも融資を受けられる可能性があります。
ただし、金融会社の絶対数は少ないので、厳選して申し込みをすることが必要です。

任意整理中でも最短即日融資の可能性があるんですね。でも中小の消費者金融って利用しても大丈夫なんでしょうか?

もちろん貸金業者として登録されていることが必須。でも大手の消費者金融と比べると金利は高い傾向にあるし、デメリットもあるわ。記事の後半でデメリットについて詳しく書いているから参考にしてみて。
異動情報が登録されていても他の属性で総合的に判断
大手と中小消費者金融の違いは、「異動情報の記載がある人⇒返済能力や信用に問題がある⇒融資を見送る」という型にはまった判断になってしまう大手と、「異動情報がある⇒返済能力や信用に問題がある⇒審査で判断」と考えるくれる可能性がある中小消費者金融という点です。
審査担当者によって可能性を重視して融資を判断してくれるという点が、属性や事故情報で信用情報が不利な人には有効な手段になります。

中堅以下の小規模な消費者金融なら審査担当者が総合的に判断してくれるわ。今現在、滞納がなければ即日融資の可能性もあるわね。
審査が不安!?中小消費者金融から安全に即日融資を受けるための基礎知識
任意整理中でも融資可能な業者の問題はこんなにある
ただし、任意整理などの条件が悪い状況でもお金を借りることが可能ということは、それなりの理由があります。
端的に言えば条件が悪い契約になりやすいのですが、それ以外にも生活再建の足かせになるなどの懸念もあり、借金問題の根本的な解決にはなりません。
高金利の可能性がある
闇金業者のように違法な高利というわけではありませんが、利息制限法の上限以下でお金を借りられる可能性は低いと言えます。ただし、すべての業者がそうだというわけではありません。

金利と支払いの関係について知識がないと余分な利息を払う危険性があります。金利のしくみについて下記の記事で詳しく解説していますので参考にしてください。
取り立てが厳しい
任意整理中などリスクのある相手にお金を貸すということは、相応の回収手段があるということです。法律を無視した取り立てをするという意味ではありませんが、非常に積極的な取り立てにあう可能性は高いです。

知名度のある大手消費者金融の場合は厳しい自主規制をしているけど、中堅消費者金融のなかには取立行為の規制に引っかからないギリギリのグレーな取り立てをする業者もあるわ。
消費者金融の取り立ては厳しい?!取り立ての実態と注意点まとめ
任意整理中の借入は借金生活に逆戻り!?
何よりも大きな問題は、任意整理によって無借金生活に向けて歩み始めている状態が振出しに戻ってしまう点です。もちろん、最終的に完済できれば良いだけですが、再び借金過多の生活に逆戻りする可能性があります。

債務整理後に融資可能な中小消費者金融などを利用することで、支払いができなくなるケースもあるの。

任意整理の手続きをして再出発しているので、できれば弁護士などの専門家に相談することをおすすめします。
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ヤミ金に走ってしまう恐れがある
また、任意整理中のような状況でお金を借りることができる合法的な貸金業者が見つけられず、借りられるという理由だけで闇金業者に走ってしまう可能性もあります。こうなると、状況は加速度的に悪化していく可能性が高いです。
再度債務整理はできない!?
債務整理中でも融資可能な業者は、大手の消費者金融と比べると、任意整理の相談に全く応じないケースが多いです。
例えば、分割払いの提案や利息の一部カットなどにも応じない業者もあります。
任意整理の話し合いではなく、いきなり裁判で債務者の給料などを強制執行で取り立ててくることもあります。

あと、自己破産をしている場合は、免責を受けてから7年以内は免責不許可事由にあたるから免責が受けられないの。
どうしてもお金が必要なときの対処法
任意整理中だとしても正当な事情があり、「借りる」以外の選択肢で状況を改善する方法がない場合の対処方法は、たとえば次のような選択肢が考えられます。
家族名義で申し込む
任意整理などの理由で自分自身ではカードローン契約をすることができなくても、家族にまでその影響が及ぶわけではありません。なので配偶者などの家族に代わりに借りてもらうという方法であれば、任意整理中でも問題なく融資を受けることが可能です。
家族カードを使わせてもらう
また、クレジットカードの一部には、家族カードを発行してもらえるものがあります。通常、家族カードはショッピング利用のみとなることが多いのですが、キャッシング枠が付帯している場合には任意整理中でも利用できます。
デビットカードを利用する
デビットカードは、クレジットカードと同じような感覚で使用できるものですが、「銀行口座から即時引き落とし」になります。
そのため口座残高以上の買い物に使用することはできず、後払いなどもできません。あくまでも現金を持っていない状態でも口座残高の範囲内で買い物ができるだけです。
ネットでのサービスやショッピングでクレカしか使えない場合にもVISAデビットであれば決済できます。
クレジット機能なしのETCカードを使う
クレジット機能なしのETCカードを使えば、現金で支払いをしなくとも高速道路を利用することができます。ただ、クレジットカード以外のETCカードを持つためには「デポジット」という経費が必要になるだけでなく、基本的には前払い制です。
法人向けのカードならば後払い可のものもありますが、瞬間的なコストは高めに設定されています。
生活ができない時は国や自治体の制度を使う
生活に困窮してしまっていることが借金をする理由であれば、債務整理によって最終的な改善を目指すとともに公的な支援制度を活用するという方法も効果的です。
住宅支援制度、総合支援資金貸付、職業訓練給付金などを活用すると、金銭的な負担を大きく軽減できます。

実は国や自治体の支援制度は充実しています。債務整理後にどうしてもお金が必要・・・もう無理かもって感じたら市役所でお金を借りる制度も検討してみましょう。
市役所でお金を借りる制度を理解する※本当に困ったときの生活福祉資金貸付制度まとめ
まとめ
任意整理中でも審査によって融資を受けることは可能です。しかし、非常に限られた選択肢になってしまうだけでなく、再び債務生活に逆戻りしてしまうリスクなどを考慮すると、まず利用しない方が賢明です。
最悪の場合、家族や友人などに必要最低限度の資金のみを借りるのがベターです。