カードローンの借金を一本化することで、返済日が1つになることで借金を管理しやすくなります。
毎月一定額の元金を減らして行くためには、まず借金一本化による金利引下げ効果を狙うことも検討する必要があります。
複数のカードローンを利用していると、利用限度額の管理と返済日がバラバラとなるので、次第に毎月いくら返済して新たに借り入れしているのか分からなくなります。
いつまでも借金完済が見えずに、ひたすら返済日に追われている感覚に襲われることもあるかもしれません。
借金を一本化できれば、煩わしい返済管理が楽になることは容易に想像できますが、実際起こりうる問題点も含めて検討してから実行に移すと良いでしょう。
借金の一本化とは?仕組みを考える
複数の貸金業者から借り入れを行っていると、1つの給料日に対して返済日が複数となり、借金の管理が難しくなります。
複数の借金を1社からの借り入れに集約できれば、毎月の収支を分かりやすく管理できるようになります。具体的には、全ての借金を1社に借り換えるというシンプルな方法にて実現可能です。
借金の一本化とは、おまとめローンなどを利用して借金をひとまとめにするサービスのことです。銀行などの比較的金利の安い金融機関で一本化できれば、月々の返済額を減らせるメリットもあります。

借金の一本化は返済計画がたてやすいのも魅力よ。
既存のカードローン会社にまとめることもできる
貸金業法に基づき貸付を行っている消費者金融からの借り入れは、総量規制により年収の1/3以内に貸付総額が制限されています。
しかし、借金の一本化を目的とした借り換えについては、債務者が一方的に有利な借り換えになり、総量規制の例外「おまとめローン」として認められています。
すでに借りているカードローン会のなかから、1社を選んでおまとめローンへとして借り換えを行なうことも可能です。
実際には審査があるので、おまとめローンを利用した借金の一本化ができるかどうかは本人の与信力次第ということになります。
また、もう1つの方法として、銀行カードローンへ新規申し込みを行い、大きな利用限度額が用意できれば、実質的な借金の一本化に成功することもあります。
借金の一本化には、2つの方法があるので、状況に合わせた選択を行なうことが大切です。
借金一本化のメリット
複数のカードローンで借金をしている状態と、借金一本化した状態では、同じ金額の借入総額であっても違いが生まれます。

借金一本化するのが向いている人の特徴です。
- 返済状況を整理したい
- 月々の返済額を小さくしたい
- 借金の金利を下げたい
- 収入が安定している
借金一本化の具体的なメリットも見てみましょう。
毎月の返済回数を減らせる
複数の借入先があると、給料日が月1回に対して返済日が複数回に分かれてしまいます。
給料日直後に訪れる返済日は、比較的容易に支払えますが、最も遅く訪れる返済日には既に手持ちの現金が枯渇している恐れがあります。
計画的なお金の使い方ができていれば良いわけですが、手元に現金を持っていると財布の紐が緩みがちになります。
借金一本化をした後ならば、借金をまとめる段階で給料日の直後に返済日を設定し、毎月一定額の返済を確実に履行できる可能性があがります。
毎月の返済回数を1回に減らせれば、借りては返すといった自転車操業による返済ループから抜け出しやすくなるメリットもあります。
毎月の返済額を減らせる
借金一本化を行なうと、複数の借入先へ返済を行なう合計額よりも、一本化した借金の返済額が少なくなることもあります。
最小返済額は、1000円単位で設定されることが多く、一本化により端数を繰り上げる必要がなくなるので、自然と毎月の返済額が減らせます。

最少返済額以上なら返済額のしばりはありませんが、できるだけ無理のない範囲で多めの返済を心がけましょう。
金利が下がる
カードローンを利用する際には、利息制限法に基づく上限金利内の金利で貸付を行わなければ、貸金業者に罰則が科せられます。
利息制限法で定められた上限金利は、段階的に規制が厳しくなっているので、利用限度額が大きなカードローンへ借り換えることで金利引下げ効果を狙えます。
利息制限法で定められた上限金利は、10万円以上100万円未満ならば18%、100万円以上で15%と定められています。
1社あたり50万円程度の借り入れを複数から行っている状態ならば、借金1本化により100万円以上の借り入れへと借り換えれば、3%も金利引下げ効果があります。
利息の総額を減らせる可能性あり
借金を他の金融業者で借り換えて一本化すれば、金利引下げ効果により同じ金額の借り入れであっても、毎月発生する利息額を減らすことができます。
利息の計算方法は、元金に金利と借り入れ日数を日割りで掛ければ出るので、金利が下がるだけで利息を減らすことが可能です。
借金一本化を行なうだけで、毎月発生する利息を減らし続けることが可能となり、結果的に利息だけでなく返済総額を減らせる可能性があります。

利息総額を減らせるメリットは大きいわね。
借金返済一本化のデメリット
借金一本化を勧めるおまとめローンの広告には、メリットばかりが宣伝されていますが、借金一本化を行なうことによるデメリットも存在します。
デメリットを把握した上で、借金一本化を行えばリスクをある程度回避できます。
ローン一本化は借金の借り換えにすぎないので、根本的な解決策とは言い難いです。返済先をまとめることで、管理のしやすさや返済額の圧縮が可能ですが、利息を含めた支払い総額は増える傾向にあります。
支払い総額が高くなる可能性がある
借金一本化を行なう際に借り換えが発生するので、以前よりも低金利な融資に借り換えた時に、毎月の返済方法が残高スライドリボルビング方式ならば注意が必要です。
低金利融資に切り替えたことで、カードローンによる毎月の最小返済額が少なく設定されていることが多いからです。
借り換え前と元金が同じであれば、毎月の返済額の内訳として元金返済充当額がいくらなのか確認してみる必要があります。
カードローンの特徴として、数%の金利差ならば返済回数を増やせば総利息が借り換え前よりも増えてしまう、逆転するタイミングが見つかるでしょう。少なくとも借り入れ前と同じ回数で完済できる計画的な返済が必要となります。
借金の一本化で金利の設定は下がる可能性あありますが、借金自体が減額されているわけではありません。返済期間が延びたことで利息の支払い合計が増えることもあるので注意が必要です。
審査は比較的厳しめ
借金返済を一本化するための借り換えローンは、消費者金融が総量規制の例外として知られるおまとめローンを利用すれば、年収の1/3を超える貸付であっても借り換え融資対象となります。
しかし、すでに返済が苦しい多重債務の状況でおまとめローンの申し込みを行なっても、借り入れ金額が大きくなることもあり審査は比較的厳し目になりがちです。
いっそのこと銀行カードローンを申し込み、徐々に借り換えて利用限度額増額を繰り返して借金一本化を目指す方法が、確実性が高くなるかもしれません。
消費者金融内で借り換えが難しければ、総量規制対象外の銀行カードローンへ借り換えを進めて一本化を目指せば良いわけです。
借金返済のためにしか利用できない
おまとめローンで借金を一本化すると、借金を返済するだけしかできません。
通常のフリーローンであれば、限度額が設定されて、その範囲内であれば、追加の借入れも可能です。しかし、おまとめローンで借りたお金は、ほかのカードローンを完済するためにだけしか使えないのです。
もちろん、返済がすすんで借金が減ったとしても追加の借入れはできません。
他のカードローンを借りようとしても、信用情報機関に登録された内容でバレるので、新規の借入れは難しいと考えて間違いありません。
完済した業者から再度借りてしまう
おまとめローンで借金を一本化すると「個人信用情報機関」に登録されるので金融機関で共有されることになります。
総量規制の範囲内であれば新規の借入れは可能ですが、その業者も慎重になります。
ただ、おまとめローンで完済した業者のなかには、利用限度枠を残したままのケースもあります。
総量規制の範囲内であったり、そもそも総量規制の対象外のカードローンであれば、追加の借入れができてしまいます。
借金の一本化は、毎月の返済額が減ることになることで、自由に使えるお金が増えたと錯覚してしまいがちです。結果、一本化する前よりも借金を増やしてしまう人があとを絶ちません。
手続きが面倒!?
借金一本化を目的とした借り換え専用のおまとめローンは、借り入れ審査を受けるために全ての借入先から取引明細を取り寄せて準備する必要がある面倒さがあります。
借り換え専用ですから、手元に現金が渡ることはなく、審査完了後に契約をすれば新たなおまとめローン会社から既存の貸金業者へ振込返済が順次行われるわけです。
銀行カードローンを普通に申し込みして、手動で消費者金融からの借り換えを行なった方が実は楽という結論になりかねません。
詐欺や犯罪に巻き込まれる可能性もある?!
借金返済一本化を謳った広告の中には、正規の貸金業者ばかりではなく、詐欺に巻き込まれる可能性もあります。
返済が苦しい状況下では、冷静な判断ができなくなっているかもしれません。借金一本化を行なうために手数料や保証金が必要という名目で電話勧誘を受けてしまうと騙される確率は跳ね上がります。
借金一本化を行なう際には、大手の銀行や消費者金融など知名度のある金融機関に直接相談に行けば、詐欺や犯罪に巻き込まれるリスクを減らせるでしょう。
おまとめローンで審査に落ちる理由は?
おまとめローンも一般的なカードローンと同様に申し込みの際には審査があります。
ただ、このおまとめローン審査は、複数で借入れをしていたり、借入金額が大きくなりがちなため審査が厳しい傾向にあります。
借金を一本化するには、審査内容を理解し対策をすることが必要になってきます。
信用情報に問題がある
新規でおまとめローンに申し込みをする場合はもちろんですが、すでに借りているカードローンのどれかに借金を一本化する場合でも改めて審査が行われます。
審査では必ず信用情報の照会が行われ、信用情報に問題がある場合には、おまとめローンの審査に落ちることになります。
申込者の事故情報をチェックして、過去に返済事故を起こしているのが判明すると、まず間違いなく借り入れは不可能になります。
最近では、パソコン、スマホからでも個人信用情報の開示できるようになっています。
CICなどの個人信用情報機関では、各カード会社に届け出ている電話番号を利用して「受付番号」を取得し、インターネットで簡単に開示できます。
CIC、JICC、全銀協という3つの団体に開示請求を行えば、すべてチェックできます。

信用情報の確認方法は以下の記事で詳しく解説しているので参考にしてください。
もしかしてブラックリスト入り?!信用情報の確認方法とカンタン回復術
申し込み時に嘘の内容を申告する
おまとめローン審査に絶対に落ちる理由のひとつが、申し込み時に虚偽の内容を申告することです。
基本的におまとめローンの審査では必ず信用情報の照会が行われるので、登録内容と申し込み時の内容に整合性がないと絶対に審査に通りません。
申し込み時の嘘は個人信用情報照会で簡単にばれます。
審査を通過したいという気持ちはわかりますが、自分の情報は正直に申告しましょう。
審査通過のコツは返済能力!?
おまとめローンの審査通過は重要なポイントは、やはり返済能力です。
この返済能力を裏付けるような要因があれば、審査通過は格段にあがります。
- 勤続年数が長い
- 会社のネームバリューがある
- 申込先の金融機関の口座を持っている
- 返済を滞納したことがない
借入額や借入件数が多い人は債務整理も検討
借金一本化に挑戦したものの、おまとめローン審査にも銀行カードローン審査にも通らなかった場合には、債務整理を検討してみることをおすすめします。
高金利のまま利息を払い続ける生活よりも、一度借金を綺麗に精算した上で生活を立て直したほうがいいかもしれません。
債務整理も検討したほうがいい理由
債務整理よりは現状の生活に影響がでない「借金の一本化」の審査ハードルは高めです。
さらに現状の収入で返済し続けることができるかどうかもじっくり検討する必要があります。
なかには、転職や昇進などで収入アップを期待している人もいますが、実際に収入を増やすのは並大抵の努力では達成できません。
過払い金請求を行う場合、完済した借金に対する請求以外は債務整理という扱いになるので注意が必要です。

収入が増えても、社会保険料や所得税、住民税などの納税額も連動してアップしていくので、予想以上に手取りは増えていかないんです。
任意整理
毎月の返済額が多すぎて、滞納状態が慢性的になるようであれば、信頼できる弁護士に依頼して任意整理を行なうと良いです。
弁護士報酬は必要になりますが、3年以内の分割により元金のみを完済すれば良いという任意交渉をまとめて和解すれば、人生の再出発を早められます。
個人再生
任意整理を行なっても払いきれないほど借金額が増えてしまった場合には、個人再生を行なって借金額を最大1/5まで圧縮する方法も検討する必要があります。
裁判所に申し立てを行なうので、再生計画案の作成から承認手続きに至るまで、裁判所へ何度か出向く必要があります。
しかし弁護士に任せておけば、多くは代理人として動いてもらえます。住宅ローン特則を利用して、持ち家だけは残したい人に向いている手続きです。
自己破産
長期失業などの理由から、借金返済のメドが立たない状況ならば、自己破産を行なってしまう手段が残されています。免責不許可事由に該当しなければ、免責決定を受けることで借金返済義務が免除される手続きです。
しかし、官報に掲載されるだけでなく、破産者名簿に掲載されている期間中は、一部の責任ある職業に就けない制限があります。借金返済が、どうにもならない状況に追い込まれて最後に使う手段です。
まとめ
複数の借入先から借金をしている状態では、返済状況の管理が難しくなるので、自転車操業による借りては返しての繰り返しとなりかねません。
借金を一本化することで、返済日が1つになることで借金を管理しやすくなるので、毎月支払う返済額のうち元金充当額を常に確認できるでしょう。
毎月一定額の元金を減らして行くためには、まず借金一本化による金利引下げ効果を狙うことが重要です。
消費者金融によるおまとめローンでは、審査が厳しくなりがちです。余裕があるうちに銀行カードローンに申し込みをして、順次借り換えを進めて行けば完済を目指しやすくなります。
まずはリスクが少ない銀行カードローンから申し込んでみると良いでしょう。